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新入試制度での英語対策 その2

前回、ライティングの対策は中学で習ったレベル以上の、難しい表現は使わない、と書いた。具体的にいえばこういうことだ。

 

以前とある中学生に英作文の指導をしていたときのこと。問題はあなたの尊敬する人を挙げ、その理由を書きなさいというもの。

その子は I respect Yoshifuru Akiyama. との書き出しで、Nichiro war でうんたらかんたらと続けて書いていた。

 

私はその英作文を見、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだのかと尋ねた。彼はそうだと答えた。

私は彼が本を読んで感化され、その主人公のことを尊敬している気持ちはよくわかった。中学生で難しめの本を読んでいることにもいたく感心した。

 

だが、合格に導くのがミッションの受験指導の英作文となると、そういう話は別なのだ。

 

Nichiro warはもちろん日露戦争のことを言っているのだろうが、英語では、Japanese–Russo   war または Russo–Japanese   warと書かなければならぬ。ただのローマ字表記は確実に英作文では減点になるだろう。

 

私は彼に英作文では真正直に書く必要はないのだと指導した(あくまで点を取って合格するためにだ)。そしてこういうときは書きやすいものを書くのだ。例えば、私は母を尊敬しています。なぜなら彼女は毎朝四時に起き、私のために弁当を作ってから仕事に行きます。そしていつも家族といるときは、笑顔を絶やしません。。。

 

これが真実であるかは、英作文のテストでは重要ではない。しかし、日露戦争よりずっと書きやすく、これなら中学生にでも書けるはず。

 

私の第一のミッションは、あくまで生徒を合格させることだ。そのためのスキルをアクアの授業では惜しみなく提供している。